
岡山国際サーキットのコース全長は3,703m。コースとしては比較的短いが、高低差が29mもある。約600mのメインストレートと約700mのバックストレートを、13箇所の中低速のコーナーで繋ぐというテクニカルサーキットだ。
3月に先行して開催されたADVAN Circuit Experience 第1弾 in 富士スピードウェイでは、終日ウェットコンディションでの開催。ウェット路面の難しさと楽しみ方を学んだ走行会でもあった。今回の岡山国際でも天気予報では雨で、タイヤのチョイスに難しさがあった。
実際ADVAN A052で走る予定だったが、雨予想からADVAN NEOVA AD09に履き替えて参加された方も。
この方は、雨でも自分の走りができるAD09の選択。ちなみにこの方、ご自身で「今回の最高齢だ!」と豪語する67歳のベテランドライバーであった。
筆者が山陽自動車道から岡山国際サーキットへ向かい午前7時に到着すると、既にほとんどの車がパドックで出走待ちの状態。
この意気込みに雨雲も圧倒されたのか、天気は曇りだがいいコンディションを保っていた。
受付が終わると、コース説明などのブリーフィングが開催される。
特別ゲストに急遽参加の織戸学さん、阪口良平さんの挨拶から始まり、織戸さんの絶妙トークに会場が和やかな雰囲気に包まれ、阪口さんからはコースの詳細な解説があり、会場のボルテージも最高潮に。
いよいよサーキットで走れるんだという喜びと闘志が、参加者の顔から伝わってきた。
各出展社ブースも走行会を盛り上げており、参加者も足を止めて各社の展示商品の説明を受けていた。
岡山国際サーキットのコースレコードは、今は亡きF1界の英雄アイルトン・セナが叩き出した。
1994年4月15日に岡山国際サーキットで開催されたF1「パシフィックグランプリ」で記録した「1分10秒218」。マシンはウィリアムズ・ルノー。
この年には、日本から片山右京氏、鈴木亜久里氏が参戦し、レースを盛り上げていた。
スーパーフォーミュラーでは、「1分12秒429」が最速で、セナのコースレコードの次にランクされている。
SUPER GT500の最速ラップは「1分16秒602」、SUPER GT300では「1分24秒286」が最速ラップである。
GR86で参加された阪口良平氏は、 Aクラスの車番12で参戦しラップを刻む。
装着タイヤはADVAN A050。同クラス車番5のマツダRX-7はADVAN A052。
車格は違うが共にサーキット走行に適したタイヤを履いている。この2台はレースさながらのテール・トゥ・ノーズのバトルを繰り広げラップタイムもほぼ互角の真剣勝負。見応え充分の走りが目の前で繰り広げられた。
岡山国際サーキットは観客席からコースまでの距離が近いので、走行会とは思えない熱気が伝わってくる。
どの参加者も周回を重ね手応えをつかむのと、限界点の確認、ブレーキパッドの感触、タイヤのグリップ力を楽しんでいるのが見てとれた。
ADVAN A052の特徴を分かりやすく解説してくれた参加者がいた。
ADVAN A052はたとえドライバーが失敗をしてもすぐリカバリーをしてくれるから、初心者でもより安心してドライブができると絶賛。
運転ミスをすると、その失敗をそのまま車の挙動に反映されてしまう場合が多いが、ADVAN A052はその失敗を失敗にせずに戻せるリカバリー力があると力説。
なんとも頼もしいご意見。ライフは、ADVAN NEOVA AD09には劣るが操縦性に関しては秀逸。リアルな感想が聞けて参考になった。
サーキットでは制限速度も無く限界を攻める場面が多くあるから、リカバリー力があるとより安心して走れるのであろう。
この走行会は、ただ思いどおりに走るだけではなく、次に活かす走りを意識したドライバーも少なくない。
それがこだわりであり、タイヤ開発の原点なのかとも感じる。タイヤ幅を215から225に替えて参戦したと言うドライバーもいた。
接地面をより確保しタイヤの剛性を活かして、コーナーをよりグリップを効かせながらいいラインを確保したいと言う思いからの選択か。
これも、ドライバーの走りに対する強い思いからの発想だろう。
様々な世代の方が参加し、セットアップに時間を割いて、完璧な仕上げで思い思いの走りで試す。
想像を超えた走りもあれば、修正点も発見する。また、技術の再確認もできる。何よりも大好きなサーキットを自分の車で走れる喜びがADVAN Circuit Experienceにはある。
クラスは、上級・中級・初級クラスに分かれて走行するので、性能の限界域にチャレンジするなら上級、何回か走行経験があって慣れてきたら中級、初心者は初級でエントリーすれば安心して試すことができる。まだ一度もサーキット走行をしたことがない筆者は、次回はチャレンジしてみようと秘かに思っている。
岡山国際サーキット場のセーフティーカーの一台にスープラがあるが、足元にはADVAN NEOVA AD09が装着されていた。
AD09から採用された新金型加工&サイドプロファイルという加工方法により、より洗練されたサイドデザインが輝きを放っていた。
マストではないが、走行会にプロのドライバーが来て一緒に走ることも。走行後にはプロドライバーとの交流を楽しむ参加者もいて、会場の雰囲気は最高。
こんな贅沢な時間を思う存分楽しめるのが「ADVAN Circuit Experience」である。